セキュリティ対策の見積もり比較|追加費用と契約条件の確認ポイント
公開日 2026-10-10 | セキュット編集部
- 見積もりは合計金額ではなく、内訳(機器代・ライセンス・設定・監視・保守)をそろえて比べます。
- 事故が起きたときの調査・駆け付け・復旧が料金に含まれるかで、実際の負担は大きく変わります。
- 最低契約期間・自動更新・台数の増減の条件は、初年度より2年目以降の費用に影響します。
なぜ見積もりは比べにくいのか
セキュリティ対策の見積もりは、会社ごとに「どこまでを料金に含めるか」が違います。ある会社は機器代と設定費を初期費用にまとめ、別の会社は月額に含めて分割していることがあります。合計金額だけを並べると、作業範囲の違いを見落とします。
IPAの「2024年度 中小企業における情報セキュリティ対策に関する実態調査」では、発注元企業から対策の要請を受けた経験がある企業が挙げた課題として、「対策費用(具体的な対策と費用)の用意、費用負担の検討」が51.3%で最も多くなっています。限られた予算で決めるためにも、比べ方をそろえることが大切です。
内訳をそろえる:5つの費用項目
見積書を受け取ったら、次の5つに分けて書き出してみてください。項目が見積書にない場合は、「含まれているのか」「別料金なのか」を確認します。
| 費用項目 | 確認すること |
|---|---|
| 機器代 | UTMなどの機器は購入か、レンタルか。保証期間と故障時の交換費用 |
| ライセンス | ウイルス対策・EDRなどの利用料。1台・1人・1拠点のどの単位か |
| 導入・設定 | 初期設定、既存ソフトのアンインストール、社員への説明会が含まれるか |
| 監視・運用 | 監視の時間帯(24時間か平日日中か)、警告が出たときに誰が何をするか |
| 保守・サポート | 問い合わせ窓口の受付時間、設定変更や台数追加の作業費 |
追加費用が発生しやすい場面
月額料金に含まれず、あとから請求されやすいのが次の場面です。特に、事故対応の費用は契約前に確認しておかないと、被害時に判断が遅れます。
- 事故時の調査(フォレンジック):被害範囲を調べる作業は、別料金のことが多い
- 駆け付け:現地訪問の回数・地域・時間帯の制限
- 復旧作業:データの復元やパソコンの初期化・再設定
- 台数の追加:途中で増やす場合の単価と、初期設定費
- 報告書の作成:取引先への提出用の報告書が必要な場合
監視サービスには、被害時の対応やサイバー保険がセットになっているものもあります。何がどこまで含まれるかは、監視サービスの比較表で確認できます。
契約条件で、2年目以降の費用が変わる
初年度が安くても、契約条件によっては長く使うと高くなることがあります。
| 契約条件 | 確認すること |
|---|---|
| 最低契約期間 | 1年・3年など。途中解約の違約金 |
| 自動更新 | 更新の時期と、解約の申し出期限 |
| 更新時の価格 | 初年度だけの割引か、2年目以降も同じ価格か |
| 最低台数 | 「10台から」などの条件。減らしたときの料金 |
| 機器の扱い | 解約時に機器を返却するか、買い取りか |
3社の見積もりを比べる手順
- 同じ条件(対象のパソコン台数、拠点数、監視してほしい範囲)を、3社に同じ文面で伝える
- 受け取った見積もりを、上の5つの費用項目に分けて並べる
- 追加費用が発生する場面ごとに、「含まれる」「別料金(金額)」「対応なし」を確認する
- 初年度と3年間の合計を、契約条件も含めて計算する
- 社内で必要になる作業(ルール作り、社員への周知など)も書き出す
パソコン20台を例にした試算は、パソコン20台のセキュリティ監視、初年度総額と対応範囲を比較にまとめています。
次にやること
- 手元の見積書を、5つの費用項目に分けて書き出す
- 事故時の調査・駆け付け・復旧が含まれるかを確認する
- 最低契約期間と自動更新の条件を確認する
- 同じ条件で、ほかの会社の見積もりも取る
- 比べ方に迷ったら、見積もりの比較を無料で相談する
参考資料
- IPA「2024年度 中小企業における情報セキュリティ対策に関する実態調査」報告書について(2025年5月27日公開):https://www.ipa.go.jp/security/reports/sme/sme-survey2024.html
- IPA「サイバーセキュリティお助け隊サービス」:https://www.ipa.go.jp/security/sme/otasuketai/index.html